風景としての葬祭空間
海浜の松林の中に位置する敷地は、県立自然公園の中にあるゆえ、景観に配慮して計画します。自然林と対話するように、敷地内は中低木の常緑広葉樹の植栽による親しみ、駐車場とキャノピーを繋ぐ丘、待合室を囲む庭園等の優しい緑地帯で構成します。
パブリックとプライバシー
斎場空間は、公的な施設ですが、同時に遺族・会葬者にとってはプライバシーも必要とされます。異なる会葬者同士の交錯を避けるため、内部動線を右回りの回遊型の一方通行とします。
緊張と弛緩
一つの別れを暗喩する空間: 結界を表現するような、池と木製ルーバーの透きの壁により、緩衝空間をシークエンスに沿って随時設定しました。 各室の機能に合わせて閉ざされた空間、1面のみが開放的な空間、全体的に開かれた空間など、異なる天井の高さより空間のボリューム変容させながら構成し、緊張と弛緩の対比をもたせた計画とします。
光と影の空間
一般的に斎場は圧迫感を感じたり空間が重くなりがちですが、光や借景の取り入れ方を各所で取り入れていることで、遺族・会葬者の誘導と対流を促します。
風と土の空間
池、丘、緑地帯の外構、建築のテクスチュアを、「死んで土に還る」という自然の摂理に沿うように提案します。松林の樹林帯の静寂の中にたたずむ斎場空間は、外構計画から内部空間までをひとつのループする空間のストーリーとして設定し、きめ細やかな空間構成は旅立ちを見送るためにふさわしい情景を構成します。
Status: Competition, 1st Prize
client: City of Sakata
place: Sakata, Japan
Architecture, landscape, furniture: SHAA / Shoichi Hariu Architect & Associates
Subcntracts: SHSH Architecture+Scenography